【添加物HPMC】の原料と製造法がヤバイ!海外では危険により乳幼児禁止

HPMCという添加物の原料と製造方法がヤバイ。海外では乳幼児禁止。 食品添加物の基礎知識

「植物由来」という甘美な罠

健康のためにと毎日欠かさず飲んでいるサプリメントのパッケージを眺めていた時のことだ。「植物由来のカプセルを使用」「植物性だから安心」という、いかにも体に優しそうなキャッチコピーが目に飛び込んできた。動物性のゼラチンを避けるヴィーガン対応の素材として、昨今のヘルスケア市場では大流行しているらしい。

しかし、その原材料名に目を落とした私は、見慣れない「HPMC」という謎のアルファベット4文字に釘付けになった。

「植物=ナチュラルで安全」というイメージを私たちは無意識に抱きがちだ。しかし、このHPMCの正体を私なりに調べていくうちに、メーカーが描くクリーンなマーケティングの裏側に隠された、あまりに工業的で歪んだ製造の実態が見えてきた。

その正式名称は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Hydroxypropyl Methylcellulose)。食品添加物としては「糊料(増粘安定剤)」に分類され、カプセルだけでなく、コンビニおにぎりのマヨネーズソースのとろみを安定させたり、冷凍食品の離水を防ぐためにも多用されている。

調べていくうちに私が抱いたのは、健康を買い求めているはずの私たちが、その実、極めてケミカルな工業製品を体内に流し込んでいるのではないか、という深い矛盾と切なさだった。

新潟生まれの国産品と、農薬にまみれた川上の原料

HPMCについて調べていく中で、私が最初に驚いたのは「製造国」のリアルな構造だった。

海外の怪しい化学物質がそのまま輸入されているのかと思いきや、国内の食品や医薬品に使われるHPMCの大部分は、日本の化学最大手である信越化学工業などが新潟県上越市の直江津工場などで製造している、まぎれもない「国産添加物」なのだ。日本の大企業が誇る最先端のクリーンな工場で作られている。ここまでは、どこか安心感を抱かせるストーリーだ。

しかし、その川上にある原材料(木材パルプ)の出処を知った時、私の安堵は消え去った。

パルプの大部分は、アメリカや南米の大規模プランテーション(人工林)から輸入されたユーカリや松であるという。そこはもはや大自然の森ではなく、完全に「木を育てる農業」と化している。苗木が雑草に栄養を奪われないよう、発がん性や腸内環境への悪影響が世界中で大議論になっている「グリホサート系除草剤」や強力な殺虫剤が大量に散布されて育つのだ。

日本の技術がどれほどクリーンであっても、その出発点は海外のケミカルな大規模農業に深く依存している。この歪んだ二重構造に、私は何とも言えない不気味さを覚えずにはいられなかった。

劇物ガスで変形させられる植物繊維

さらに、木材パルプをHPMCへと加工する工程そのものも、全くナチュラルとは程遠い世界だった。

本来、植物繊維(セルロース)は水に溶けない。これを水に溶けてドロっとした便利なカプセルのシート状に変形させるために、工場では劇物級の薬品が投入される。吸入すると中枢神経系を麻痺させ、頭痛やめまいを引き起こす危険な工業用ガス「塩化メチル(クロロメタン)」などを反応(化学修飾)させて作られるのだ。自然の植物をそのまま生かしたカプセルなどではなく、過激な化学反応によって生まれた完全な合成添加物なのである。

製造の最終段階でこれらのガスや農薬は徹底的に洗浄・揮発されるため、完成したHPMC自体に危険なレベルの物質が残留している可能性は極めて低いとされている。その科学的な事実自体を私は否定するつもりはない。しかし、「健康のために」と毎朝口に入れているサプリの土台が、これほどまでに暴力的な工業プロセスを経て作られているという事実は、知っておくべき重い矛盾だと考える。

腸のバリアへの懸念と、欧州が鳴らす警鐘

我が国では「体内に吸収されず、そのまま便として排出されるため安全」として認可されている。しかし、近年の環境医学や消化器研究の報告に触れるうち、私はこの「ただ通り過ぎるだけ」という建前にも疑問を持つようになった。HPMCが腸内粘膜バリアを弱め、慢性的な炎症の引き金(リーキーガット症候群など)になるリスクが指摘され始めているからだ。

実際に、欧州食品安全機関(EFSA)が公表している公的な再評価資料を見つけた時、私の懸念は確信へと変わった。

📄 一次資料:欧州食品安全機関(EFSA)の評価報告

  • 機関: EFSA(European Food Safety Authority)
  • 資料名: Re-evaluation of celluloses (E 460–E 466、E 468 and E 469) as food additives(2018年公表)
  • 報告内容: HPMC(E 464)を含むセルロース類全体の安全性を再評価。一般の大人に対しては即座に有害性はないとしつつも、**「高用量を摂取した場合に、一時的な下痢や軟便、お腹の張りを引き起こす可能性がある」**と明記。また、製造工程における化学物質の残留基準について厳しい監視を継続する方針を示している。

「絶対に安全」と言い切る日本の空気感とは違い、国際的な機関は明確に消化器への影響を注視し、厳しい目を光らせ続けているのだ。

世界の「予防原則」と、止まったままの日本のルール

最も私を驚かせ、同時に危機感を抱かせたのは、日本と海外における乳幼児へのリスク管理の決定的な「温度差」だった。

欧州(EU)では、製造時の化学物質の微量な残留リスクや、赤ちゃんの未熟な腸への影響を考慮し、厳しい「予防原則」が敷かれている。そのため、生後12ヶ月未満の離乳食やベビーフードなどの乳幼児向け食品へのHPMCの使用は、原則として認められていないのである。

私はその明確なエビデンスを、EUの法律の中に確認した。

📄 一次資料:EUの食品添加物規制

  • 法規名: Regulation (EC) No 1333/2008 on food additives
  • 内容: 欧州における食品添加物の使用をカテゴリごとに分類した法律。この中の「カテゴリ13.1(乳幼児向け食品)」の許可リストにおいて、HPMC(E 464)の記載は除外(または原則不認可)となっている。

ひるがえって、私たちの生きるこの日本の現状はどうだろうか。

厚生労働省が2003年に認可して以来、HPMCは一般食品と全く同じ扱いのままだ。ベビーフードや離乳食への使用制限など一切存在しない。それどころか、メーカーは「植物由来だから安心・安全」というクリーンな言葉の傘に隠れて、今日も堂々と販売を続けている。

世界が赤ちゃんから遠ざけようとしているケミカルな工業製品が、この国では「健康に良い植物性」として当たり前に流通し、小さな子供たちの口にすら入り得る環境にある。この決定的なギャップに、私は目眩がするような恐怖を覚えずにはいられない。

自分の目で見て、立ち止まるということ

サプリメントや加工食品の裏側に書かれた「HPMC」という文字。それは、自然豊かな森から採れた優しい成分などでは決してない。農薬をたっぷりと浴びて育ったアメリカ産の木を輸入し、日本の化学工場で危険な工業用ガスを使ってドロドロに合成した、冷徹なケミカル工業製品なのだ。

残留物がきれいに取り除かれているから安全だという、国や企業の言葉を私は盲信したくはない。海外の厳しい目、そして公的な一次資料が示しているリスクに耳を傾けるべきだと考える。

他人が決めた「安全」や、国産というブランド、イメージだけのクリーンなマーケティングに流されるままでは、私たちは本当の意味で自分の体を守ることはできない。

買い物に行くたびに、あるいはサプリを手に取るたびに、裏面の成分表示を自分の目で見る。そして、「本当にこのケミカルなカプセルを、私は毎日飲み続ける必要があるのだろうか」と一瞬立ち止まって考える。その主体的な目を持つことこそが、国も企業も守ってくれないこの時代を生き抜くための、本当の「食の安全意識」なのだと、私は強く確信している。

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